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主力のクリヤマHDが1Q決算とM&Aを発表……【M&Aを自己分析してみる。】

      2015/05/23


決算

タイトルの通り、自分の主力銘柄であるクリヤマHDが今期の1Q決算の発表と、海外企業M&Aを発表したので、今回はそれらの事についての分析?みたいなものを書いていこうと思います。

クリヤマHD:1Q決算

 

まずは1Q決算について書いていきます。

平成27年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

業績

売上高が前年同期比+11.3%の113.96億円。
営業利益が前年同期比+11.1%の8.24億円。
経常利益が前年同期比+4.9%の9.04億円。
純利益が前年同期比+8.2%の6.34億円。
EPSは前年同期比+8.4%の59.05円となっています。

クリヤマHDの第2四半期の業績予想が
売上高が前年同期比+6.4%の210億円。
営業利益が前年同期比+6.3%の12.7億円。
経常利益が前年同期比+5.7%の14.5億円。
純利益が前年同期比+7.0%の9.7億円。
EPSは90.30円なので、決算は大体予想通りの順調な進捗具合であると言えると思います。

なお、経常益がやや低いのは、前年同期に有った《持分法による投資利益》の剥奪や営業外損失の増加により、前年同期比で4000万円ほど営業外収益が減少している為です。
まぁ業績予想でも経常益はやや少なく予想しているので、これは特に問題は無いでしょう。

その他の指標では
粗利率は前年同期が26.49%に対し、今回は26.25%とやや悪化
販管費率が前年同期が19.25%に対し、今回は19.02%とやや改善しました。

粗利率が悪化している=原価率は上昇しているという事ですので、このことから原料の仕入れ値が円安等により上昇したのかな?と憶測されます。
まぁしかし、前年と比較して格段に円安が進行している現在でこの程度なら、何ら問題はありませんね。

業績的には現時点では特に問題は無いと言えるでしょう。

バランスシート分析

現金が前年同期より7.1億円増加(前年同期比+13.0%)。
売掛金が前年同期より10.3億円増加(前年同期比+17.0%)。
棚卸資産が前年同期とほぼ変わらずとなりました。

売掛金が売り上げと比べてやや多く増加しているのが気になりますね。
半面、棚卸資産はほぼ横ばいで在庫が積みあがっているという状況ではないというのがなんとなくわかる点は安心材料です。

売掛金の増加はキャッシュフローの悪化を招くのであまり良い兆候とは言えません。
この点に関しては今後も注視していく必要がありますね。

その他留意事項

・《北米事業》の売上高は対前年同期比11.8%増の56.04億、営業利益は対前年同期比14.8%増の5.14億円。
・《産業資材事業》の売上高は対前年同期比5.7%減の19.07億、営業利益は対前年同期比43.6%減の1.19億円。
・《建設資材事業》の売上高は対前年同期比11.8%増の25.12億、営業利益は対前年同期比10.1%減の1.32億円。
・《スポーツ施設資材事業》の売上高は対前年同期比81.9%増の8.79億、営業利益は対前年同期比219.9%増の2.23億円。

スポーツ施設資材事業は浮き沈みが激しいが、利益率は他の事業に比べて高くなる傾向がある。
世界大会やオリンピック、その他特需が見込まれる状況ではこの事業が業績を底上げする可能性がある点も考慮したいところ。

・《オランダにおける子会社設立に関するお知らせ》を発表
・《キュラソー法人 Lyme Gro Holding N.V. 株式取得(子会社化)に関するお知らせ》を発表。

後述。

M&Aに関して

 

オランダのキュラソーにある《ゴム製レイフラットホース等の製造販売》している会社、【Lyme Gro Holding N.V.】(以下LGグループ)の株式を、新しく設立されたクリヤマHDの子会社である【Kuriyama Europe Cooperatief U.A. 】が100%取得し、子会社化するようです。(ややこしい。)

順序的には
オランダにおける子会社設立に関するお知らせ

キュラソー法人 Lyme Gro Holding N.V. 株式取得(子会社化)に関するお知らせ
……この順序で読めばこんがらがりませんね。

まぁ要するに、オランダの企業を完全に買収して、名前をクリヤマ~~に変更したと考えればいいんですね、多分。

M&Aに関する定性的分析

手元のIR資料によりますと

・買収するLGグループとは約10年来の付き合いがあり、品質面においては市場から高い評価を得ている。

・自社製品とは対象市場において重複はなく、供給商品の品揃えにおいても樹脂関連ホースからゴム製のレイフラットホースと多様化が図られ事業拡大の効果が期待できる。

・スペイン・アルゼンチンに生産拠点を新たに保有することになり、空白拠点であった欧州、南米等に一挙に拠点を展開でき、生産・販売両面においてグローバル展開を加速させることが可能となる。

・LGグループのゴム製レイフラットホース製造技術ノウハウの取得は、ホース事業とのシナジー効果も期待でき、従来の樹脂ホースからゴムホース製造販売への本格的な事業展開を図ることが可能となる。

……等々、良いことがてんこ盛りに書かれています。

実際、このように同業種の企業を買収することは、上にも書かれている様にシナジー効果を期待でき、企業としての価値の向上、若しくは価値が見直される可能性の向上に繋がります。

業務内容が全く違う企業を見境なく買収する事は唯の多悪化ですが、こういう買収はシナジーに期待できる、上手い多角化ですので非常に好感が持てますね。

買収に関する定量的分析

定性的には良いことをつらつらと書いてあっても、肝心の数字(定量的側面)がダメなら意味が無い。
という事で、買収金額や買収先の資産額・売上などから定量的に評価をしてみましょう。

まず買収に掛かる総額ですが、これは《キュラソー法人 Lyme Gro Holding N.V. 株式取得(子会社化)に関するお知らせ》に書かれている、取得見込価格《33百万ユーロ》を使います。

続いて買収先の資産額ですが、これも同資料に書かれているLGグループの純資産額《38,806千米ドル》を使います。

最後に売上などですが、これも同資料に書かれたLGグループの26年12月期の連結業績《売上 / 4,423万ユーロ》《営業益 / 880万ユーロ》《経常益 / 969万ユーロ》《純利益 / 686万ユーロ》を使用します。

まず、外貨を日本円に換算します。

レートは、【1ドル=110円】・【1ユーロ=130円】で算出したいと思います。
(1ドル=110円はクリヤマHDの今期の想定為替レートより、1ユーロ=130円は上記資料より引用。)

買収金額 = 33000000ユーロ*130円 = 4,290,000,000円 = 42.90億円
LG純資産 = 38806000ドル*110円 = 4,268,660,000円 = 42.69億円
売上 = 44230000ユーロ*130円 = 5,749,900,000円 = 57.50億円
営業益 = 8800000ユーロ*130円 = 1,144,000,000円 = 11.44億円
経常益 = 9690000ユーロ*130円 = 1,259,700,000円 = 12.60億円
純利益 = 6860000ユーロ*130円 = 891,800,000円 = 8.92億円

まず、買収金額に対する純資産額ですが……これは特に問題なしといえますね。
買収金額が資産価値とさほど乖離していない(PBR=1.0倍程度で、変にプレミアムを付けて買収をしていない)ので、《のれん》で苦しむことはなさそうです。

また、買収金額基準で算出した買収企業のPSRは42.9/57.5で0.74倍となり、この点で見ると割安で買収できている点は優秀です。

最後に、簡易的にEV/EBITDA倍率を算出してみます。
普通にEV/EBITを算出する場合は【EV=株式時価総額+ネット有利子負債(有利子負債-現預金)】【EBITDA=営業利益+減価償却費】ですが、ここでは【EV=買収金額】【EBITDA=営業利益】でメチャ簡単に算出します。
(もうEV/EBITDAというよりも、簡易EV/EBIT倍率ですね←)

すると……

EV=42.90億円
EBITDA=11.44億円

EV/EBITDA = 42.9 / 11.44 =3.75倍 となります。

これを簡単な言葉で言いますと、買収に使ったお金を4年弱でペイできてしまうということです。
……日本市場のEV/EBITDA倍率の平均が7~8倍で、個人的には5倍以下に魅力を感じるのですが、それらを大きく下回るこの数値はかなり魅力的な水準です。

買収額基準でのPBR・買収額基準でのPSR・EV/EBITDA倍率、以上の3点からクリヤマHDは定量的にも大変に魅力があるM&Aを行ったと評価できますね。

今後の方針


クリヤマHDはすべて現物で保有しているので、引き続きホールドを継続したいと思います。
この調子で株主価値を高めていってくれると嬉しいですね。

以上、クリヤマHDの決算についての雑感と、M&Aの分析でした。
ここまでお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m

 - 銘柄分析

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